今回は、太古の昔から時代を超えて世界中で愛され続けているナッツの定義から、世界のナッツの生産量、「世界の三大ナッツ」など定番ナッツまで、世界のナッツ事情をご紹介!また、世界各地でのマカダミアナッツの食べ方や呼ばれ方まで、大充実でお届けします。
世界のナッツと世界各地でのマカダミアナッツ
ナッツはそのままで優美で洗練された歴史ある美しい食べ物。甘みと香り豊かな油分の組み合わせ、さらに独特の食感で、貴族から庶民まで皆を虜にしてきました。そんな世界のナッツにはどんなものがあるのでしょうか?改めてナッツの定義から、マカダミアナッツを含めた著名なナッツの魅力をご紹介します。
ナッツとは何?ナッツの定義は…
ナッツは、主に木になる実で、固い殻や皮に覆われたものを指します。ただし、本来は豆に分類されるピーナッツや、種子であるカシューナッツなども含まれることが多く、一般的には食べられる果実や種子の総称とされています。
ナッツは採取も保存も簡単で、調理いらず。かつ豊富な栄養素があることから、昔から貴重な食料として重宝されてきました。特に、狩猟採集の時代は普段の食生活になくてはならないものだったようです。栽培植物として育てられてからは、育つまでに時間がかかることや手間などで穀物や野菜と比べると高価になり、どちらかというと嗜好品として重宝されています。
世界のナッツの種類と生産量
2016年の世界のナッツ生産量は、380万トン。そのうち、70%は約アーモンド、カシュ―ナッツ、ピスタチオ、クルミが占めています。ちなみにマカダミアナッツは2%以下。
また、日本に輸入されたナッツ類の分類(2017年:日本ナッツ協会)も、アーモンド、クルミ、カシュ―ナッツが全体を占め、マカダミアナッツは約3%です。
日本に輸入されたナッツ類分類 2017年1月-12月
出典元:日本ナッツ協会 通関統計
アーモンド(49%)
クルミ(28%)
カシューナッツ(15%)
マカダミア(3%)
ピスタチオ(2%)
ヘーゼルナッツ(1%)
ピーカン(1%)
比較的高価なマカダミアナッツは、その他のナッツに比べると輸入量も少ないのですが、収穫するまでに年数と手間がかかり、生産量が少ないのも希少価値が高くなる理由です。
世界三大ナッツと食べ方
世界三大ナッツは、アーモンド、カシューナッツ、ヘーゼルナッツです。
アーモンド
ナッツの中では世界で最も生産量・消費量が多く、生産量の約8割はアメリカ産。もともとは西アジア、地中海沿岸から広まり、日本にはポルトガル人が江戸時代に持ち込んでいます。ケーキなどの菓子でよく食べられます。
カシューナッツ
独特の形が特徴で、ブラジルの海岸沿いが原産地ですが、アジアや欧米で広く食されています。ブラジルでの食べ方は煮込みやパン、菓子など多種多様で、中国・ベトナム・インド・インドネシアでも様々な料理に取り入れられています。
ヘーゼルナッツ
地中海沿岸から西アジアが原産地で、生産量約7割はトルコ産。日本ではハシバミの実として知られます。ペースト状にしたプラリネは製菓の材料としても有名です。
その他の世界で広く愛される定番のナッツ
世界で広く愛される定番の代表的なナッツといえば、マカダミアナッツ、ピスタチオ、クルミ、ピーカンナッツがあげられます。
マカダミアナッツ
オーストラリア原産のナッツで、脂質の含有量は最大、簡単には割れない固い殻も特徴。世界に流通したのは比較的新しいナッツです。他のナッツよりやや高価で「ナッツの王様」と呼ばれることも。
クルミ
8000年前の化石が発見され、紀元前2000年には栽培されていたなど、最古のナッツとも。イラン地方から欧州や中国に渡り、古くから世界中で愛されています。様々な品種があります。
ピスタチオ
地中海沿岸から中央アジアが原産地。王家に愛される高価な実でシバの女王が好んだことから「ナッツの女王」の名も。独特の風味があり、実の緑が濃く鮮やかなものほど珍重されます。
ピーカンナッツ
ペカンナッツとも呼ばれ、アメリカ大陸原産のクルミ科の木になるナッツで、先住民の貴重な栄養源でした。1,000種以上の種類があります。
世界のマカダミアナッツの食べ方
お酒のつまみや運動後のおやつとしてそのまま丸ごと、あるいはミックスナッツとして、さらにはチョコレートなど組み合わせたお菓子やケーキ、パンに入れてという食べ方が最も一般的です。が、肉料理や魚料理に登場させる国も増えています。
また、過去のオーストラリア・マカダミア協会の独自調査によると、いつマカダミアナッツを食べるかを問う「マカダミア・モーメント」で、オーストラリアと日本 「一人でリラックスしているとき」 ドイツと台湾 「3 時のおやつ」 、韓国 では「運動後の栄養補給」 という回答がそれぞれ1位という結果が出てきます。
世界でのマカダミアナッツ消費国トップ5
出典元:Global trade atlas, UN Comrade, INC international data collection, Australian Macadamia Handlers Association
アメリカ合衆国(51%)
オーストラリア(16%)
日本(15%)
ドイツ(12%)
ブラジル(6%)
日本とドイツが非生産国では最も消費率が高い国として知られています。
世界のマカダミアナッツの呼ばれ方
ちなみに、マカダミアナッツは、マカダミアやマカダミアンナッツと呼ばれることも多いですが、どちらが一般的なのでしょうか。
私たちオーストラリア・マカダミア協会では、「マカダミア」という表記を採用していますが、検索数などで見ても、日本ではこちらの呼び方の方が多数派のようです。
マカダミアナッツは、古くはアボリジニの人々にキンダル・キンダル、ブーンベラ、ジンディル、そしてバウパルなどの名で呼ばれていました。
発見者の友人の名を元に、マカダミアと名付けられましたが、原産地のクイーンズランドの名を取ってクイーンズランドナッツ(Queensland nut)とも呼ばれています。
他に、ボープル/ボブル・ナッツ(Bauple nut、Bopple Nut)の名もありますが、こちらはマカダミアナッツの原種の木の実のこと。小さくて食用にはならないそうです。これが改良されて今のマカダミアナッツになったとか。
ちなみに中国語では、ハワイのナッツと言う意味の夏威夷果(シャーウェイイーグゥオ)がメジャーですが、オーストラリアの硬いナッツという意味の澳洲坚果(オーヂォウジェングゥオ)も使われます。
まとめ
ここであげた以外にもまだまだ世界中に様々なナッツがあります。起源や食べ方、愛され方もバリエーションに富んでいますが、知識を深めるともっと楽しみ方が広がりそうですね。
マカダミアナッツについてもっと知りたくなった方は・・・
「マカダミアナッツって?」や200レシピを超える「マカダミア・レシピ」などもご覧ください。