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キーワードは‘リジェネレーション’!マカダミア農園の再生への道のり

オーストラリアのマカダミアファームはナッツの生産にとどまらず、取り巻く自然環境の再生、保全も自分たちの使命であると考えています。このRegeneration:再生が本日のキーワード。太古の原生林こそが宝物だったのだと今やっと世界中が気付き始めています。遅すぎたなんてことがないように…今日もひたむきに取り組んでいるマカダミアファームの実情を皆様にご紹介していきます!

キーワードは‘リジェネレーション’!マカダミア農園の再生への道のり

まだまだ馴染みのない言葉Regeneration(リジェネレーション:再生)。実は既に海外では企業を中心として急速に広まりつつあるようです。もはやサステナブル(持続可能な未来を思う)を謳うことだけでは地球を持続することができなくなっている現実。マイナスをゼロにするだけでは到底地球環境の課題はクリアできないことを認識し、リジェネレート(再生)していくことでプラスへと転換していく、そんな取り組みが必要になってくるようです。オーストラリアのマカダミア生産者はナッツの生産だけでなく、使命感を持って環境保全に取り組んでいます。さっそく取り組みの内容をみていきましょう。

環境保全と熱帯雨林の再生

マカダミアの原産地はオーストラリア東海岸の亜熱帯雨林ですが、ヨーロッパ人の入植による度重なる伐採や開発により、熱帯雨林の面積や規模は縮小してきました。この失われた自然環境を今また取り戻すべく、水、土壌、原生植物、野生動物の保護にマカダミア生産者は熱心に取り組んでいます。

 

例えば農園の一部を保護区に指定し、敷地内の生物多様性を高め、干ばつや土壌を侵食する豪雨に対して土地自体が自らの力で適応・強化するよう導いています。自然界から搾取するのではなく原点回帰し、自然の持つ力を最大限に引き出しバランスよく共存していく、そんな未来を目指して日々土を触り、木々を観察し、その日の空気を吸い込みながら五感で農園全体の環境を把握していく様子が伝わってくる気がします。

マカダミア農園に残る熱帯雨林を保護・再生するには他にも多くの利点が挙げられます。例えば地域の自然な地形や水路をそのまま残すことで在来の動物や有益な昆虫にとっても負担のない動線や環境を確保。そして有益な鳥や動物、昆虫が住み着いてくれることで化学肥料を使用せずとも土俵がたっぷりと養分を含み、木々が健康に育ち、豊かな実を結ぶのです。

家族の夢であった田舎への移住とクオリティの高い健康食品への情熱から、バイロンベイのヒンターランドにある荒れ果てた酪農場をマカダミア農園として再生、さらに古代の亜熱帯雨林をリジェネレートしたパムとマーティン・ブルックさん。1988年に農園一帯を購入した当時の様子をこう伝えてくれました。

 

「この土地はかつてビッグスクラブと呼ばれるオーストラリア最大の亜熱帯雨林の一部でした。しかし購入した当時は雑草が生い茂り、長年放置され、荒野の如く荒れ果てていました。私達はこの土地に亜熱帯雨林の木を3万5000本以上植林、さらに斜面にもユーカリの木を植えました。現在樹齢33年のこの熱帯雨林はかつての雄大な自然美を垣間見ることができるまでに成長しました。野生動物もたくさんやってきて、彼らにとってももちろん自分たちにとっても誇り高い楽園となっています」。

 

このようにオーストリアの多くの生産者は生物多様性と生産性の両方を兼ね備えた循環型システムを構築し、種が健全に繁栄していけるように、と多角的にアプローチを重ねているのです。

 

未来につながる素材

かつては産業廃棄物とされていたマカダミアナッツの殻。しかし、現在では驚くほど多くの方法でリサイクルされています。そう、これもいわゆる「リジェネレーション」の一つ。具体的に下記のように再生されているのですよ!

✔ナッツの柔らかい外皮や剪定された枝を農園の堆肥として使用する循環型システムが整っています。ムダのない方法で土壌を豊かにし、健全な土壌で健全な木を育て、最高品質のナッツを生産。また殻や木の剪定枝を再利用することで廃棄物を減らすだけでなく炭素を土俵に備蓄でき、地球温暖化防止へも貢献しています。

✔バンダバーグにある大手マカダミア生産者は特別に制御された環境でマカダミアの殻を燃やし、穀粒を乾燥させるための熱を生み出すだけでなく電力も作り出しています。

✔マカダミアナッツの殻は建築資材や、カーボンフィルター、工業用ナノパウダーの原料として使用されています。

✔マカデミアナッツの殻から作られた医療用の薬用炭は、一部の中毒患者への治療に効果的とされています。

✔アーティストであり職人であるマーク・ハリソンは、マカデミアナッツの殻や枝を再利用し、木の持つ性質と美しさを最大限に引き出し、ユニークで美しい家庭用品や家具を作り上げています。

 

➡詳しくはこちらの記事もどうぞ

https://australian-macadamias.jp/column/macadamia-change-maker-marc-harrison

まとめ

物質的に豊かになり利便性を追い求めた近代から今、大きくシフトする時期にきています。サステナブルであることはもちろん、失ったものをリジェネレート:再生していくことが次の課題となり今後企業などを中心に日本でも広がっていくことでしょう。個々でもどう行動するか、どんなマインドでものを選び購入するのか…私達もアップデートを怠らずに太く、ぶれない自分軸を構築していきたいですよね!

 

【参考サイト】

https://www.australian-macadamias.org/consumer/sustainability/marvellous-macadamia-shells/

https://www.australian-macadamias.org/consumer/sustainability/conservation-and-rainforest-regeneration/

https://www.sustainablebrands.jp/community/column/detail/1196565_2557.html

https://www.ted.com/talks/william_mcdonough_cradle_to_cradle_design/transcript?language=ja

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