Site icon オーストラリア・マカダミア協会

眼からうろこ!マカダミアのDNAをさかのぼると?

Rosebank macadamia farmer Peter Fraser pictured 22nd September 2013 . photo Jacklyn Wagner

遺伝子検査キットなるものが簡単に手に入るようになり、体質や性格、なりやすい病気など、これまで知りえなかったことが遺伝子情報から分かるようになった今日、マカダミアナッツだって遺伝子検査を受けています。
遺伝子情報が示すマカダミアナッツの課題とは何でしょう。

眼からうろこ!マカダミアのDNAをさかのぼると?

遺伝子検査キットなるものが簡単に手に入るようになり、体質や性格、なりやすい病気など、これまで知りえなかったことが遺伝子情報から分かるようになった今日、マカダミアナッツだって遺伝子検査を受けています。

遺伝子情報が示すマカダミアナッツの課題とは何でしょう。

マカダミアナッツのルーツはオーストラリア

今日、マカダミアナッツの生産はオーストラリアの他にもハワイ、南アフリカ共和国、ケニヤ、中国などに広がっています。そうした商用マカダミアの遺伝子を検査したところ、その70%はクイーンズランド州のムールーという小さな町に自生する野生マカダミアの遺伝子に紐づけられました。

19世紀にオーストラリアからハワイへ輸出された一握りのマカダミアの種子が、接ぎ木によりその数を増やし、世界中で栽培されるようになったのです。

種子のたどった道のりを考えるとロマンを感じますが、遺伝子の多様性の観点からみると実は重大な危険をはらんでいます。

遺伝子の多様性ってなに?

ジェンダーや人種について「多様性」という言葉をよく耳にするようになりましたが、同じ種類の生きもの(動物・植物・菌類など)でも形や模様、生態に違いがあるのは、遺伝子に違いがあるから。

遺伝子の多様性が少ない種は、気候変動や病気による影響を受けやすく、絶滅の危険性が高くなってしまいます。

マカダミアも人間社会と同じで、多様性を必要としているのです。

野生のマカダミアは絶滅危機

2020年12月に更新された最新のIUCN(国際自然保護連合)リストで、オーストラリアに自生するマカダミアの4つの野生種のうち、2種が絶滅危惧種に、残りの2つは生存を脅かされている種として指定されました。

開発や気候変動、自然災害、外来生物など様々な要因で、野生のマカダミアの本数は年々減少しているのです。

なぜ絶滅してはいけないの?

野生のマカダミアは、マカダミア産業を支える上でとても重要です。商用マカダミアの遺伝子がほぼ均一であるとすれば、何万本と栽培されていたとしてもその木は弱いのです。

一方、野生のマカダミアの遺伝子は多様性に富んでいて、将来的な気候変動や病害虫に打ち勝てる品種を生み出すための遺伝子バンクのようなもの。野生種がマカダミアナッツ存続の鍵をにぎっているのです。

野生のマカダミアのためにできること

今日、気候変動や自然災害、開発などさまざまな理由により野生のマカダミアが生息する熱帯雨林は、残念ながらわずかしか残っていません。どこに野生のマカダミアが生えているのかというと、その約90%は民家の裏庭や農地など私有地に生えていて、まさかこんなところに、というところに未発見の品種が潜んでいる可能性があるのだとか。そうした未発見の野生種を見つけて保護することも「マカダミア保護トラスト」の重要な取り組みの1つ。

マカダミア保護トラストのサポーターになるには、以下のリンクをご参照ください。ご寄付も受け付けています。

https://www.wildmacadamias.org.au/(英語)

まとめ

Exit mobile version