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マカダミア生産者の横顔:マイルズ・ギレスピー

多くのオーストラリア人と同じように、グラハム・ウェスリングとマカダミアとの関わりは、子どもの頃、裏庭に植えられていた、たった1本の木から始まりました。 「当時は、あのささやかな木に、あれほどの可能性が秘められているなんて、思いもしなかった」と彼は振り返ります。その幼い頃の思い出は、今でも心に深く残っていると言います。

マカダミア生産者の横顔:マイルズ・ギレスピー

ノーザンリバーズのマカダミア生産者、マイルズ・ギレスピーにとって、農業とは、家族から受け継いだ伝統を大切にしながら、農園を丁寧に管理し、どのような季節の変化にも負けずに歩み続けることです。

オーストラリアの豊かな自然の中で育つマカダミア。その一粒一粒の背景には、日々果樹園と向き合う生産者たちのストーリーがあります。

今回ご紹介するのは、ニューサウスウェールズ州ノーザンリバーズ地域でマカダミアを育てる、マイルズ・ギレスピーさん。家族から受け継いだマカダミア栽培への想いを胸に、2014年から自身の農園「セレンディピティ・ファーム」でマカダミアを育てています。自然の変化と向き合いながら、家族との時間も大切にするマイルズさん。農園での毎日や、マカダミアへのこだわり、そして「シェアする楽しさ」についてお話を伺いました。

生産者の目線から見た、オーストラリア産マカダミアの魅力を覗いてみましょう。

伝統、管理、そして歩み続ける強い意志

オーストラリア・ノーザンリバーズ地域でマカダミアを栽培するマイルズ・ギレスピーさんにとって、農業とは、家族から受け継いだ伝統、規律ある果樹園の管理、そしてどんな季節が訪れても歩み続ける強い意志。その3つが組み合わさったものです。

彼と妻のリアナさんは、どちらもこの地域で生まれ育った生粋のローカル。都会で暮らした時期もありましたが、現在はニューサウスウェールズ州トレゲアグルにある「セレンディピティ・ファーム」で、3歳の娘ハリエットと愛犬ビンゴとともに暮らしています。

マカダミアは、ギレスピーさんの人生に長く寄り添ってきました。1990年代から2000年代半ばに家族の農場が売却されるまで、家族でルースでマカダミアを栽培していました。その後、別のビジネスでさまざまな経験を積んだのち、家族とともに暮らしながら農業を営むため、マカダミア産業に戻ることを決意。自分たちの農園を購入しました。

そして2014年から、トレゲアグルでマカダミアを育てています。

マカダミア果樹園のリズム

セレンディピティ・ファームでの暮らしは、果樹園のサイクルとともにあります。

収穫は通常3月から7月にかけて行われ、その後は枝を整理し、新たな実をつける枝を育てる作業へと移ります。8月から1月には病害虫などから作物を守るための管理を行い、その合間には草刈りやマルチングも行います。

彼にとって、何より大切なのは「継続すること」です。

「規律とは、農場を取り巻くほかの問題がどんなものであっても、枝を整理する作業を通じて、新しく実をつける枝を継続的に育てていくことです」とマイルズは話します。

その「問題」は、決して小さなものではありません。

雨、干ばつ、洪水、ひょう、サイクロンなど、さまざまな自然現象が、安定した収穫量を確保するという商業的な課題に不確実性をもたらします。

農園への投資を成り立たせるためには、1ヘクタールあたり少なくとも1.5トンの高品質なマカダミアカーネルを生産する必要があり、同時に過剰なコストをかけないことも重要です。

「簡単なことではありません。雨の多い天候や自然災害によって、楽しいこともあれば、落ち込むこともあります。でも、だからこそ、最後に収穫を手にしたときの喜びは、より大きなものになるんです」

サステナビリティについても、ギレスビ―さんの考え方は現実的です。

農園が将来に向けて投資を続け、人を雇い、周囲の環境を守っていくためには、まず農業そのものが経済的に持続可能でなければならないと考えています。

「利益を出さなければ、農園や地域の環境のために持続可能な取り組みを実施することもできません」

作物だけではない、農園での暮らし

農園の経営は一家の暮らしを支える大切なものですが、セレンディピティ・ファームは、家族にもうひとつの大切なものを与えてくれます。

それは、家族で一緒に人生を楽しむための時間と空間です。

「家族みんな、この農園が大好きです。果樹園を散歩したり、小川で遊んだり、作業小屋でマカダミアを割っておやつにしたり、木々の間でピクニックをしたりしています」

とギレスビ―さんは言っています。

なかでも彼の心に残っているのは、リアナとハリエットが果樹園の真ん中でバギーに乗って突然現れ、仕事中の彼を驚かせる瞬間です。

「農園が大変な状況にあるときでも、二人が来てくれると、いつも元気をもらえます」

マカダミアを分かち合う楽しさ

ギレスピーさんのお気に入りは、ローストして塩をまぶしたマカダミア。特に、殻付きのマカダミアにノコギリで切れ目を入れたものが好きだといいます。

料理では、オレンジ、フライパンで香ばしく炒ったマカダミア、ほうれん草、ゴートチーズを合わせ、オリーブオイルで仕上げたシンプルなサラダがお気に入りです。

また、彼は、マカダミアは人が集まる場にも自然になじむ食材だと考えています。チーズやさまざまなフィンガーフードと一緒に、スナックとして楽しむのもおすすめです。

ギレスピーさんはこれまで、マカダミアを贈り物にすることも多かったそうです。特に、マカダミアを食べたことがない海外からの訪問客には、よくプレゼントしているといいます。

「贈ると、いつも喜んでもらえます。きっと気に入ってもらえるという安心感がありますし、珍しさもあって特別な贈り物になります」

彼は、オーストラリア産マカダミアならではのプレミアムな魅力を保ち続けるとともに、生産に携わる人々の仕事や、そこに伴うリスクについて消費者に理解してもらうことが重要だと考えています。

そして、オーストラリア産マカダミアを選ぶことは、その生産を支える人々や地域社会を応援することにもつながるといいます。

「オーストラリアのマカダミア農園は、地域に雇用を生み出しています。働く人々は良好な労働環境のもと、オーストラリアの労働基準に沿った賃金を受け取っており、法定の賃金基準を上回る賃金が支払われることも少なくありません。

消費者が支払う価格が、農作物を育て、さまざまなリスクを負っている農家の受け取る金額に、必ずしもそのまま反映されるわけではありません。

オーストラリア産マカダミアを選ぶことは、地域の生産者やそこで働く人々、そして私たちが大切にしている農業のあり方を支えることにつながるのです」

収穫の一粒一粒に込められた誇り

美しいマカダミアを収穫できたとき、ギレスピーさんは大きな達成感を感じます。

「最後までやり遂げたことへのご褒美ですね。途中で気を緩めてしまうのは簡単なこと。でも、収穫の時期にたくさんのマカダミアが実っているのを見ると、いつも自然と笑顔になります」

では、オーストラリア産マカダミアを食べる人に、どんな体験をしてほしいのでしょうか?

「『わあ、おいしい!』と感じてほしいですね。味わい、カリッとした食感、そして本当に上質なものを食べているという実感。そのすべてを楽しんでほしいです」

ギレスピーさんが教えてくれた、マカダミアのある暮らし

家族の歴史を受け継ぎながら、自然と向き合い、日々の積み重ねを大切にしてマカダミアを育てるギレスピーさん。一方で、農園は家族で散歩やピクニックを楽しんだり、収穫したマカダミアをおやつにしたりと、家族との大切な時間を過ごす場所でもあります。

「おいしい」と感じる一粒のマカダミア。そのおいしさの背景には、生産者の努力や情熱、そして家族や地域への想いがあります。ギレスピーさんのストーリーを通して、いつも何気なく楽しんでいるマカダミアが、少し違って見えてきたのではないでしょうか。

次にマカダミアを手に取るときは、その一粒が育ったオーストラリアの農園や、そこに込められた生産者の想いにも、ぜひ思いを馳せてみてください。

これからも「マカダミア生産者の横顔」を通して、オーストラリアの生産者たちの暮らしや、マカダミアに込められたストーリーをご紹介していきます。

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