
クイーンズランド州でヒンターランドとよばれる地域、ジムピーの北東、アンダーリーのなだらかな丘陵地帯に位置するベンワース・オーチャード(果樹園)。数々の受賞歴を誇るこのオーチャードは、単に生産性の高さを追求するにとどまらず、自然・知識・情熱あるチームが一体となって、いかにして本当に特別なものを生み出せるのかを体現しています。9,600本以上のマカダミアの木が、40ヘクタールにも及ぶ広大な土地に植えられており、その中には46年もの間、実をつけ続けている木もあります。伝統と革新が融合する場所こそ、このベンワース・オーチャードなのです。
知恵が育つ地:ベンワース・オーチャードの物語
経験と自然、そして革新の融合
クイーンズランド州でヒンターランドとよばれる地域、ジムピーの北東、アンダーリーのなだらかな丘陵地帯に位置するベンワース・オーチャード(果樹園)。数々の受賞歴を誇るこのオーチャードは、単に生産性の高さを追求するにとどまらず、自然・知識・情熱あるチームが一体となって、いかにして本当に特別なものを生み出せるのかを体現しています。
9,600本以上のマカダミアの木が、40ヘクタールにも及ぶ広大な土地に植えられており、その中には46年もの間、実をつけ続けている木もあります。
伝統と革新が融合する場所こそがベンワース・オーチャードなのです。
CL Macs(マカダミアナッツ・ホールセラー)によって運営されているこのオーチャードは、オーストラリア・マカダミア協会の「アワード・オブ・エクセレンス」において2025年の「ラージファーム・グロワー・オブ・ザ・イヤー」に選出されており、オーストラリアのマカダミア生産中心地の輝ける存在となっています。
ナッツを支えるチーム
ここ、ベンワース・オーチャードは企業の支援を受けているものの、その魂を形づくっているのはチームの面々。リア・ハイルブロン、アイヴァン・エリクソンら結束の固いチームを率いるのは、マネージャーのシェーン・ジャクソンであり、その実践経験は合わせて35年以上にも及んでいます。
「ここには本物の深い知識があります」と、CL Macsの農業統括マネージャー、グラハム・ウェスリング氏は語ります。
「でも、ベンワースが他の果樹園と一線を画しているのは、チームが新しい取り組みに非常に前向きであるという点です」
このオーチャードは数十年の歴史を誇りながらも、過去にとらわれてはいません。長年マネージャーを務めてきたティム・サーモン氏が築き上げた、科学的根拠に基づくシステムの基盤が今も受け継がれています。
チームはアグロノミスト(農学者)や害虫モニタリング担当者と緊密に連携し、得られた情報を基にその時々に最適な判断を積み重ねながら、日々学び続けています。
自然に導かれる農園運営
あらゆる作業が、自然のプロセスに基づいて行われているベンワース。
肥沃な土壌は栄養豊富な堆肥、ミミズの糞、そして「ジョンソン・スー」と呼ばれる画期的な「堆肥濃縮液」によってもたらされています。この濃縮液は木の根元に散布され、微生物の多様性と土壌構造を向上させ、健康な土壌のための活力源となっているのです。
ここには7つのミミズ農場があり、そこで生産された液肥や堆肥が、木々の生育を支える栄養源として活用されています。また、列間に植えられたコンフリーが自然に栄養を補うことで、化学的な窒素投入は最小限に抑えられています。
「私は“少量をこまめに”という方法が良いと強く信じています」とはグラハム氏の言葉。
「そうすることで、栄養分と木の必要量がうまく噛み合い、土壌の生態系が健全に保たれるのです」
土地のリズムを知る灌漑
ベンワースの灌漑システムは驚くほどシンプルでありながら効果的です。
年間約1,200mmの降雨を活用しつつ、必要に応じて水を補い、精密に調整されたスプリンクラーを通じて、一晩あたり約4.5mmの水を散水しています。
ここにはデジタルダッシュボードはなく、頼れるのは経験と観察、そして土地を読む感覚だけです。
「雨が降らない時は毎回、灌漑を行っています。何が効果的か、私たちは学んできました。大事なのは複雑さではなく、一貫性です」とシェーンは言います。
果樹園が静けさに包まれるとき
ここでは、開花の時期を迎えると、機械を完全に止めます。散布も肥料まきもせず、受粉の邪魔をするものは何ひとつありません。
ミツバチたちがほこりのない静かな環境で活動できるようにするための、「宗教的な掟」だとシェーンは笑って言いました。
その見返りとは?
力強く安定した結実と、より健全なオーチャードという形で返ってきます。
また、地面に対しても同じ配慮が向けられています。
雑草を薬剤で枯らすのではなく、草を自然に生やすことで、土壌を涼しく保ち、守り、生きた状態にしています。
樹冠管理もまた穏やかです。やみくもに剪定を行うのではなく、計画的にチェッカーボード状に木を間引き、徐々に空間を広げていきます。時間はかかるものの、その分、光と風、そして生命がオーチャードに戻ってくるのです。
ベンワースの哲学
ベンワース・オーチャードには、4つの重要な原則が隅々まで息づいています。
- 豊富な経験を持つ人々
- 生物学的かつ自然な土壌管理
- 真の価値を生む的確な投資
- 干渉より観察を重視する管理スタイル
そして何より重要なのは、継続的な改善への揺るぎない姿勢です。
数々の賞を受賞し、樹齢46年の木々を擁していながらも、ベンワースのチームは学びを止めることはありません。
「オーチャードはできる限り自然に任せるべきだ」とグラハムは言います。
その理念はシンプル。
しかし、ベンワース・オーチャードでは、そのシンプルな理念が木々・土壌・人々、そしてもちろん、オーストラリア産マカダミアナッツを手に取るすべての人々に、確かな成果をもたらしているのです。
まとめ
日頃は、ただ美味しいから口にしていたマカダミアナッツ。
実は、その裏には壮大なストーリーがあることを知り、今の地球環境の大切さ考えずにはいられません。
ベンワース・オーチャードでマカダミアが生産される過程において、環境、土壌、生態系が尊重され、いかに持続可能な方法で地球を守り、私たちの暮らしを守ろうとしているのか、その行動に深い感銘を受けます。
普段から自然に触れる機会の少ない人々にとって、「地球環境」という言葉はどこか遠い存在かもしれません。
それでも、身の回りの小さな気づきから始める行動が、やがて大きな結果につながると信じたいものです。
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