生産者たち~Henri Bader

Henri Bader
(ヘンリー・ベイダー)

マカダミア農園経営者ヘンリー・ベイダーは、「最良の選択は、時として人生の後の方にやって来る」という生きた証です。

ヘンリーは50歳で南アフリカからオーストラリアに移って来て、雇用主が彼は年を取りすぎていると考えたために退職した後、70歳でマカダミア栽培者になりました。「僕の雇い主は大きな間違いを犯したのさ。」と彼は言います。「でもいいこともしてくれたんだよ。この土地を買ったんだからね。買った時、ここには何もなかった。木も家も道も基盤もなかった。鳥がいて、岩があって、クスノキが何本か生えていたけど、それがすべてだった。」

ヘンリーはそれ以来、ニュー・サウス・ウェールズ北部にあるほぼ100エイカーに広がる彼の農園に、約7000本のマカダミアの木を植えました。彼は毎日その農園か農園の近くに出て、2016年には70トンのマカダミアを産出しました。

ヘンリーはずっと強い関心を持ってマカダミアの栽培を学び、何年にもわたって、革命的とも言える取り組み方をして来たのです。この産業に足を踏み込んだ時に、それ以前の経験が何もなかったということが、時に幸いしたと彼は言います。「その産業に慣れていないというのは、時にはいいことだよ。他の人達がやるような、型にはまったやり方にとらわれない、ということだからね。新入りは新鮮な見方ができるし、違った考えを持っている。僕は間違いもしたけど、その間違いからたくさんのことを学んだよ。人間は上手くできたことからは、何も学ばないんだ。学ぶものがないからね。でも間違いを犯した時に、そこから学びが始まるんだよ。」

ヘンリーはマカダミアの栽培を鎖にたとえます。「ひとつひとつの過程がしっかりしていなければ、栽培は成り立たない。」と彼は言います。「だから、すべてが重要なんだ。土壌と木が健康でなければ、マカダミア・ナッツは実らない。授粉が行われなくても、マカダミア・ナッツは実らない。すべてのものが他のすべてのものと連結して、作動しているんだよ。」

彼がマカダミア農園経営者として最も気にかけているのは、土壌であると言います。栽培の過程はそこから始まるからです。「土壌が健康であれば木も健康だし、そうであれば全うな収穫ができる可能性が高い。木が強ければ、ナッツも上出来さ。」と彼は語ります。

現在80代のヘンリーは、可能な限り健康的で最高品質のマカダミアの生産に絶えず努力しており、最新の研究と技術を追求していますが、成功の最も重要な要素は「姿勢」であると信じています。 「轍に陥りたくありません。正しい「姿勢」を持ってのぞめば良い結果が得られます」とヘンリーは語ります。