贈るのはその“こだわり”
大切な人への手土産に最適なマカダミアナッツのお菓子3選
年末年始の帰省やご挨拶周りなど、何かと手土産を求める季節ですね。
いつも変わらない自分なりの定番商品や、ご当地の名物も良いですが、その商品に込められた“思い”や“物語”を贈るのはいかがでしょうか?
今回はそんな“物語”を持ったマカダミアナッツのお菓子をご紹介します。
1. 銀座 菊廼舎「揚げまんじゅう」
銀座駅直結の銀座コアに本店を構える「銀座 菊廼舎」。創業126年の老舗です。
この銀座 菊廼舎の名物は、砕いたマカダミアナッツをふんだんにまぶしたサクサクの食感が人気の「揚げまんじゅう」。「冨貴寄(ふきよせ)」と並び、これを目当てに同店を訪れる人が後を絶ちません。時間帯によっては売り切れている場合も・・・。
そんな人気の「揚げまんじゅう」に纏わる物語とは?営業部長の渡辺眞由美さんにお話を伺いました。
柔軟な考えが引き寄せたオーストラリアとの出会い
「銀座 菊廼舎は、もともとは着物の洗いを専門とした現代でいうところの洗濯屋さんだったそうで、その名残が屋号の「舎」に残っています。当時のお店には広い中庭があり、そこで洗いの上がりを待つお客様に江戸和菓子をお出ししたところ、これが人気となり江戸和菓子屋へ転業したのだとか。すごい転換ですよね。考えが柔軟でないとできないことです。」
創業家である井田家には、この「柔軟な考え方」が脈々と受け継がれているといいます。
マカダミアナッツを使った名物「揚げまんじゅう」を考案したのは4代目井田常道氏。20年以上前から「江戸和菓子」を世界の共通語にすべく活動を続けてこられた人物です。
この常道氏が、当時小豆の栽培を始めたオーストラリア・クイーンズランド州からの招聘でオーストラリアに行くことになり、その際の“手土産”として考え出されたのが「揚げまんじゅう」だったのです。
検証を重ねて出来た「オーストラリアらしい江戸和菓子」
「オーストラリアの人々は小豆を育てても、どのように食べるのか、どのように使うのかといったことを知りませんでした。指導者が必要だったのです。現地で講演会が開かれ、その講師を4代目が務めました。小豆の使い方はもちろん『日本の良さを知ってもらいたい』と会場で“揚げまんじゅう”を振る舞いました。講演会参加者の中には州知事もいらっしゃったそうです。」
日本側も、北海道の小豆産地で不作が続き、新たな調達先を求めている時期でもあり、オーストラリアで販路開拓をしたいとの思惑もあったそうです。
この渡豪を前に常道氏は「オーストラリアらしいもの」と江戸和菓子の融合を考え、マカダミアナッツにたどり着きました。
「新潟の煎餅屋が、煎餅の周りにナッツをまぶしているのを見て『これだ!』と思い、まんじゅうの周りにナッツをまぶすことを思いついたそうです。」
当初よりオーストラリアが最大生産国であるマカダミアナッツを考えていたものの、アーモンドやピーナッツなどありとあらゆる豆で試作を繰り返したそうで、その上で「マカダミアナッツが一番!」という結果に行き着いたのだとか。
“言い表せない”のが唯一無二の証
銀座 菊廼舎の餡は甘さ控えめ。その餡とサクッと揚がったまんじゅうの皮、マカダミアナッツの香ばしさが組み合わさると「形容し難い美味しさ」になります。まさに「例えるものが思いつかない」唯一無二の味と食感です。常道氏の妥協のない研究に感謝せずにはいられませんね。
渡辺さんオススメの食べ方は「お酒のお供」。ワインでも、日本酒でも、ウイスキーでも、スパークリングワインにだって合うのだそう。
「昨年、常道氏は勇退し、現在は5代目がお店を切り盛りしています。5代目自らが毎日この揚げまんじゅうを一つひとつ丁寧に揚げています。」
食感を保つ為、揚げまんじゅうの賞味期限は1日。それゆえ配送などはされていませんが、帰省の日、夜の団欒を思いながら購入するのはいかがでしょうか。
購入は都内4カ所で可能です。
2. wara no bag「黒糖マカダミアナッツ」
小田原のかつての花街、宮小路に店を構える黒糖マカダミアナッツ、厳選ナッツ・ドライフルーツ専門店「wara no bag」。“藁のバッグ”を手作りと自然の象徴とし、「自分の健康が地球の健康」とのポリシーを掲げて、人と地球の健康に役立つ様々なナッツ・ドライフルーツを販売しています。
このお店の原点でもあり、一番人気の「黒糖マカダミアナッツ」。そこにはどんなストーリーがあるのでしょうか。オーナーの高濱さんにお話を伺いました。
学生時代の人脈がもたらしたヒラメキ
宮城大学食産業学部に属し、幅広く食に関わることを学び、中でも里山保全や自然農法で知られる福岡正信氏に影響を受けたというオーナーの高濱さん。
「『大学を卒業後は、一度、自分のやりたいことと真逆の業界を経験してみよう』と、ファーストフード業界へ就職しました。2年をその会社で過ごした頃、奇跡的に8連休もとることができ、学生時代に参加したボランティア団体でお世話になった人生の恩師を頼って、ハワイへ行きました。そこで日本よりぐっと手頃な値段で販売されていたマカダミアナッツを漁るように食べている中で『黒糖で和えたら美味しそう』とひらめいたんです。」
お父様が熊本出身で、小さい頃からお家でくるみを黒糖で和えるのを見ていたそうで、黒糖自体が身近な食材だったのだとか。
「ハワイから帰国直後に起きた東日本大震災が大きな転機となりました。いつ死んでもおかしくないのだから、もう、好きなことをして生きて行こうと決めました。震災後2ヵ月は、店舗の立て直しに没頭しました。5月になり、ようやく落ち着いてきたある日、閃きの黒糖マカダミアを試作しました。「これだ!」と、すべて自分の中で繋がりました。9月には会社を辞め、通販サイトから販売を開始しました。」
“手作りだから光がある” 効率化される現代にこそ必要なこと
その間に、いろいろな産地のマカダミアナッツと黒糖で試作を繰り返し「一番味が濃く、丸くて欠けの少ない」オーストラリア産のマカダミアナッツと、「コクがありつつ、少し苦味もあって、ナッツの油分と合う」波照間島産の黒糖の組み合わせに行き着いたそうです。どちらも“人の手”が惜しみなく入ったもの。それは高濱さんの想いに通じます。
「そもそも店名である『wara no bag』はSHERBETSというバンドの『わらのバッグ』という曲に由来しているんです。その曲の歌詞の『世界でたったひとつ僕が作ったどこにもないわらのバッグ〜略〜手作りだから光があるんだ』という部分に感銘を受け、その歌詞を別の形で表現したい!と思ったことも、黒糖マカダミアナッツを生み出した大きな理由でした。」
「ナッツは種。種は全てのものの始まり」と高濱さんはいいます。「効率を追い求める現代ですが、人の手だから作れる魅力、自分だからこそ作れるおいしさを大切にしていきたい」と。
「つい寄りたくなる」そんなお店と味
その想いから作り出された“味”は催事などで広がり、2012年に今の地にお店をオープン。箱根など近郊へ旅行に行かれる際に寄ってくれるお客様が多いのだとか。確かに「マカダミアのコクと黒糖の深み」が絶妙にからんだ味は癖になり、わざわざ買いに寄りたくなります。
現在はインターネットHPの通販もおこなっているので、地方でも入手可能です。
「そのままでも美味しいですが、珍しい食べ方としては「凍らせる」のがオススメです。周囲の黒糖はパリパリ、中のナッツはちょいカタな、何とも言えない食感になるんですよ。」
高濱さんとしては「忙しい方に手軽に摂れる栄養として食べていただきたい」とのこと。
ご自身も忙しかった新卒後の2年間に「知っていれば」と思うのだそうです。
いつも忙しく飛び回っている大事な人に贈ってみてはいかがでしょうか?
3. 新潟味のれん本舗「マカダミアナッツおかき」
新潟県長岡市で良質な国産米を使ったせんべい・おかきを作る岩塚製菓。その通販部門会社として、商品企画、パッケージデザインまでも担っているのが新潟味のれん本舗です。
1988年の創業以来、社長以外は全員女性で、女性の感性を生かした商品を作り出しています。
今年に入って人気に火がついている「マカダミアナッツおかき」が発売されたのは1995年のこと。その誕生には、時代の流れがありました。代表取締役の渡辺幸雄さんにお話を伺いました。
その柔らかさが決め手となった!マカダミアとフワフワおかきのコラボ
「80年代後半から、米菓業界にはチーズや、アーモンドの入ったものが登場し、一種の流行のようになっていました。」
今でも和のおかきに、洋のテイストを加えた商品はコンビニでも目にするくらいポピュラーですね。
「当時、味のれん本舗で売り上げNo.1だったのは創業以来、北海道産の大豆が入った『越乃豆もち』でした。安定した人気商品があることはいいのですが、『そろそろ次のヒット商品もほしい!』ということで、巷の流行りを取り入れ、大豆を洋なものに変えてみる試みが行われました。」
そこで選ばれたのが、マカダミアナッツ。こちらも当時は「ハワイのお土産チョコ」くらいの認識でしかなく、今のような剥き身のものは一般的には目にしないものでした。
「越乃豆もちは、フワッフワの食感。そこに硬い豆ではバランスが悪く、食べた時に違和感が残ります。その点、マカダミアナッツはもとより柔らかく、火を通すことでさらに柔らかくなるので、フワッフワ食感にぴったりなのです。」
このフワッフワ食感は、岩塚製菓独自の製法によるもの。
「一般的にもち米は粘り気があるので、一度冷やして固めてから、おかきの形にカットします。しかし、一度固めると焼いても硬いまま。その点、お餅が柔らかいうちに切ると、固くならず焼いた時にフワッとなるんです。このお餅が柔らかいうちにカットする技術は『水切り製法』と言って、他にはなかなかない製法なんですよ。」
良質の素材だからできる“素材の味”での勝負
味は良質な国産米の甘さと、マカダミアナッツの甘さと、塩気が組み合わさっていて、口に入れた瞬間、食感とともに、その絶妙さに「美味しい!!!!」と叫びそうになります。
このおかき用に独自のサイズ(5mm角くらい)に砕かれたマカダミアナッツの口への残り具合や、歯ごたえも絶妙。細かなこだわりには唸るしかありません。
軽いので、いくらでも食べられてしまいます。
地元新潟では、工場の直売のショールームがあり、割とご年配の方が購入されているとのことですが、ここ最近のナッツブームもあり、通販では30代くらいの方がよく購入されるそう。お子さまにも食べやすい柔らかさだし、世代を問わず、楽しめるお菓子なので、親戚一同が集まる場などに持っていけば間違いないですね。
「オススメの食べ方はコーヒーと一緒に食べることですね。そのおかきに合うようにブレンドした専用のコーヒーも販売しています。」
マカダミアナッツおかきには苦味を抑えたコロンビアなど南米産の豆を使ったコーヒーを用意。フワッフワのおかきと、それに合ったコーヒー。疲れた体も心も癒してくれそうです。仕事などで忙しい方などへはコーヒーとのセットを贈ってはいかがでしょうか。
マカダミアナッツおかき
14枚入りパック 669円(税込)
14枚パックから56枚箱入りまで、用途・人数によって選べます
新潟味のれん本舗
気になるお菓子、ストーリーはありましたか?
現代はモノが溢れる時代。選択肢が広がることは良いことの反面、何を選べばよいかわからなくなりますよね。そんな時、そのモノが出来上がるまでに関わる人や、そのモノが出来たきっかけなど、そのモノにまつわるストーリーに目を向けてみてはいかがでしょう。
贈り物であればなおさら、あなたの想いに沿ったものが見つけられるのではないでしょうか。
大切な人の喜ぶ顔がみたいから、今度の手土産は「あなたの想い」を贈ってみてください。