マカダミアナッツはオーストラリア原産!
でもなぜハワイが有名?
これから年末年始のハワイ旅行土産に、マカダミアナッツ入りのチョコレートの箱を受けとる人も多いのでは。でもなぜ、オーストラリア原産のマカダミアナッツがハワイで有名になったのか?その立役者には日系人の存在がいるとか…。まずは歴史から紐解いてみましょう。
マカダミアナッツといえばハワイと思われる不思議
2008年にオーストラリア・マカダミア協会独自で日本で実施した消費者調査では、「マカダミアのイメージを教えてください」という質問に「ハワイ」47%、「お土産」47%、「チョコレート」30%という回答結果に。マカダミアナッツといえば、ハワイ土産の定番であるチョコレートのイメージが強かったようです。
ちなみに、2016年に行った調査では、ヘビーユーザー中心にマカダミアナッツはオーストラリア原産だという認識が広がったようですが、ライトユーザーにはまだハワイのイメージが残っている結果に。
それでは、なぜ日本ではマカダミアナッツはハワイのイメージが強いのか、そもそものマカダミアナッツの歴史を振り帰ってみましょう。
マカダミアナッツの歴史:アボリジニの貴重なご馳走
マカダミアナッツの原種は太古の昔から、オーストラリアのクイーンズランド州南部など北東沿岸の熱帯雨林に自生していました。そのため、クイーンズランド・ナッツという呼び名があるほど。
先住民のアボリジニの人々は、マカダミアナッツを貴重なご馳走として扱い、儀式の際の特別な贈りものや、物々交換の品物として利用していました。豊作な土地を表すシンボルでもあったようです。
1857年に植物学者のフェルディナンド・ヴォン・ミューラーとウォルター・ヒルが森の中に豊かに生い茂る、その神秘的で美しい木々を発見。良き友人であり、当時著名だった化学者ジョン・マカダムの名前を元に、マカダミアと命名したとされています。
その後1880年代には農園が作られ、商業栽培は1954年頃から始まりました。
なぜハワイへ?
当時のハワイ王国で栽培が盛んだったさとうきびの防風林用として1880年代始めにハワイに移植されました。その後食用としての価値が明らかになると、1920年以降、ハワイ大学が商業生産のため、品種改良や栽培方法の研究を進めます。農園の免税措置の政策も後押しになり、1950年代には大規模農園が誕生。作付面積ではさとうきびやパイナップルを抜いてハワイを代表する特産物になったそうです。
マカダミアナッツ・チョコの生みの親は日系人!
ハワイのマカダミアナッツ・チョコレートのメーカーとして有名な「ハワイアンホースト」はマウイ島出身の日系3世、タキタニ・マモル夫妻が、1927年創業のホノルルの菓子店を1960年に買収して始めたもの。彼らがマカダミアナッツとチョコレートの相性が良いことに気づき、売り出したこの商品が徐々にヒット。70年代には、ハワイ土産の定番になりました。
マカダミアナッツとチョコレートを組み合わせることで食感が良くなり、また、マカダミアナッツがチョコの甘さを引き立てます。さらに、マカダミアナッツは粒が大きく、温まりにくいという温度差に強い性質を持っているため、周りのチョコレートが溶けにくくなり、これがハワイの気候にぴったりでした。そのため、マカダミアチョコはハワイを訪れる観光客の間で人気になり、ハワイを代表するヒット商品と呼ばれるまでになったようです。
現在はオーストラリアの生産量がハワイを上回っている!
今ではマカダミアナッツの生産量はオーストラリアがハワイの生産量を上回り、世界の30%のマカダミアナッツを生産。農家は650戸、植木されている総面積は18,500ヘクタールに。毎年の収穫量は約4万5千トンにのぼります。
オーストラリアは今では、自国生産の7割を世界約40カ国に輸出するマカダミアナッツ輸出国に。実は、オーストラリア原産の食物で、世界中に流通し、商業的に成功しているのはマカダミアナッツのみです。
原産国オーストラリア産のマカダミアナッツのこだわり
オーストラリア産のマカダミアのこだわりは、その規模と農業のスタイルにあります。オーストラリアでは個人の農業者が比較的大きな農園を所有し、育成から収穫まで行うことが可能です。
さらに、本来の自生の地であるオーストラリアの生育条件を、他の国で正確に再現することはできません。原産国オーストラリアの熱帯雨林育ちの木々にはストレスがかかりにくく、高品質を保ちやすいのです。
また、オーストラリアは、環境意識が非常に高く、栽培、生産のあらゆる過程において自然環境への敬意と配慮をしながらも最高の農法を目指していることもあります。品質管理システムが厳しく、安全と品質にも徹底したこだわりが見られます。
最後に
今度ハワイ土産にマカダミアナッツ・チョコレートを受け取ったら、「原産国と世界での生産国No.1はどこか知っている?」と聞いてみてはいかがでしょうか。そしてもし知らなかったら「オーストラリアだよ!でもじゃあなぜハワイで有名かというと…」とその理由まで教えてあげてくださいね。そして是非、本物の味も試してみてください!