地球の救世主・マカダミアの殻
オーストラリアで6000万年前に誕生したマカダミアナッツ。マカダミアの木は水の使用量を最適化し、大気中の炭素を隔離する能力を備えていることから「植物界における持続可能性の巨人」と言われているのをご存知ですか。マカダミアの木は、優れた内部水分管理システムにより、水分が少ない時には木の気孔を閉じて、周りの環境に調和して成長を続けます。例えば干ばつや、天候不調など外部環境が激しく変動してもそれを乗り切ることができる驚異的な自然の能力が備わっているんです。
そしてマカダミアの木だけでなく、マカダミアの殻や外皮も地球にとって非常に重要な資源として再利用されています。今回はナッツの殻がどうやってリサイクルされて我々の地球を守ってくれているかご紹介します。
CO2の削減に役立っている
マカダミアの殻は2層になっており、外側の殻=ハスクは果樹園の堆肥として利用されています。このハスクが土壌を豊かにし木に栄養を与え、自然に炭素隔離するのに役立っています。
電力を供給する
バンダバーグの大手マカダミアナッツ生産者は、特別に管理された環境でマカダミアナッツの殻を燃やし、殻を乾燥させる熱を生み出すだけでなく、殻割り工場に電力を供給する電気を作り出すことに成功しました。
バイオ炭を生成する
酸素の少ない環境で、高温で殻を燃やすと、バイオ炭が生成されます。バイオ炭は、土壌を豊かにするだけでなく、炭素を排出するのではなく自然に貯蔵する、天然の高炭素肥料です。
炭素フィルターなどの原料として
マカダミアの殻は、パーティクルボードなどの建築製品のほか、炭素フィルターや工業用ナノパウダーの製造にも使用されてきました。
治療薬として
マカダミアの殻から抽出した医療用炭は、一部の中毒患者に対する効果的な病院治療薬として使用されています。
マカダミアの殻がアートに
オーストラリアのマカダミア農園はSDGsの一つである、「気候変動対策」にもつながる持続可能な農業に対し真摯に取り組み、とりわけて、人間の利己を追求するのではなく、環境を第一に考えた農業のイノベーションが注目を集めています。そしてこのイノベーションは農園だけでなく、芸術の世界へも広がっています。
芸術家であり職人でもあるマーク・ハリソンは、マカダミアの殻と木材の両方を再利用し、「ハスクボウル」と名付けられた美しい食器を生み出し、世界中から脚光を集めています。
「マカダミアの殻は熱伝導性に優れているので肌合いがすごく良い。体温に合わせて手の中で穏やかな温もりがじんわりと広がるのでずっと触れていたいような、特別な風合いがあるのです」とマークさん。
ウェブサイトhttps://www.husque.com/ や地元のギャラリーを通じて販売されているので是非チェックしてみてください。
【関連記事】
・マカダミアをアートに。マークハリソン氏
https://australian-macadamias.jp/column/macadamia-change-maker-marc-harrison
・マカダミア産業の革新的なSDG活動
https://australian-macadamias.jp/column/monoculture-polyculture_industry
・オーストラリアのマカダミア農家さんの笑顔が素敵な理由とは?
https://australian-macadamias.jp/column/macadamia-farmer_s-smile
・野生のマカダミアの木を守る
https://australian-macadamias.jp/column/saving-wild-macadamia