【食の多様化】にクローズアップ。‘自分らしさ’は食事から
ステイホームが続き私達の生活は大幅に制限される日々が続いています。すっかり自炊するという方も増え、改めて自分が本当に食べたいものや体が欲しているものを本質から見つめ直す人も増えているようです。海外には「心身共に健康に過ごす」ウェルネスライフという概念がありますが、この未曾有の一年で日本でも身体だけではなく自分の心を健康に保つ、あるいは自分らしいライフスタイルについて考える機会がぐんと増えたと言えるのではないでしょうか。
ライフスタイルの主軸である「食」には様々なプランが存在し、世界中で尊重されています。そこで今回のコラムでは耳にしたことのあるものから最近話題になり始めたものまで多岐にわたる食トレンドを、そしてマカダミアがどういう役割を持つのかをご紹介していきます。
1.はじめに
「食生活の改善」は必ずしも‘体重を減らす‘為のダイエットということではありません。宗教上はもちろんのこと、自分自身のメンタルが安定したり心地よく過ごせたりと心身ともにベストコンディションをキープするため、またサステナブルな未来へのアクションの一環として取り入れている人もたくさんいるのです。
今回のコラムでは何を選択して何を自分の体に取り込むのか、それぞれのミールプランを簡単にまとめてみました。またどのような食事方法であってもマカダミアは大切な栄養源として、さらには健康的で自然な美味しい植物性食品として取り入れられていることも改めて理解することができることでしょう。こちらでご紹介したミールプランをご自身で取り入れる場合は必ず専門家に相談した上で体と相談しながら行ってくださいね!
2 今おさえておくべきミールプラン10選
#1 地中海式ダイエット
ここ数年健康的な食べ方の代表例として挙げられることの多い地中海式食事法。年に一度選出されるアメリカのUS News & World Reportの[世界のベスト食事法ランキング]総合で一位になった(https://health.usnews.com/best-diet/best-diets-overall)こともあり、そのヘルシーな食事スタイルは昨今地位を確立しています。
地中海食は、地中海沿岸の地域で食べられている伝統的且つ健康的な食生活の習慣に基づいています。野菜、果物、全粒穀物、豆類、ナッツ、種子、ハーブ、スパイスなどの植物性食品を中心とした食事を基本としているのがポイント。また、魚介類を頻繁に摂取すること、食事の際に赤ワインを適量飲むことを推奨し、赤身の肉や加工肉、牛乳や乳製品、単純糖質(砂糖に含まれる糖質で吸収が早く、急激に血糖値を上げてしまう)の摂取を控えることが進められています。
地中海食の健康効果を裏付ける研究は数多くあり、特にバージンオリーブオイルやマカダミアのようなナッツ類を豊富に使った地中海食は心血管疾患、糖尿病、メタボリックシンドローム、脳の健康など、多くの健康効果が期待できるとのこと。さらにメンタルヘルスへの効果も昨今注目されており、最近ではオーストラリアの研究調査では(The SMILES Trial, Jacka, Opie et al 2017)オリーブオイルやナッツ類を使った地中海食がうつ病対策の強力な手段となる可能性も示されています。さらに地中海食とナッツの同時接種はさらに効果が高まるという調査もあり、血圧の低下やコレステロール値の改善などが見られたとのこと。
詳しい調査結果はこちらから詳しく御覧いただくこともできます。
▶ https://trade.australian-macadamias.org/ja/the-mediterranean-diet-a-recipe-for-health-and-happiness/
#2 プラントベース
植物由来の原料から作られた食品を基本とし、動物性食品にできる限り頼らない食事法。昨今若い世代を中心に世界中で注目されている分野といえるでしょう。国際連合食糧農業機関(FAO)の調査結果による【家畜がもたらす自然環境の破壊】や【世界の人口が増え続けることで動物性タンパク質と人口のバランスが崩れるタンパク質クライシス】も人々がこの食事法を実践する背景の一つといえます。乳製品や肉製品の代替品を積極的に食すことで未来の環境へ向けてアクションを起こそう、という若い世代の意識改革が後押しした食の枠組みの一つといえるでしょう。
乳製品の代替品としては植物性のマカダミアミルクやマカダミアバターが優秀です。とにかく美味しいという点も多くの人に愛される要因の一つ!ぜひこちらのレシピも✔
#3 ベジタリアン
多くの方がすでにご存知のベジタリアンは動物性食品の一部・または全てを取り除き野菜・果物・豆類・ナッツなど植物性の食材を主体とした食事法です。卵と乳製品は摂取する、また肉は食べないが魚介類は食べる、などベジタリアンの中でさらに細かくカテゴライズされており、定義は流動的だといえます。
#4 ヴィーガン
ベジタリアンの一種で厳格に肉、乳製品、卵、さらにハチミツまで全ての動物性食品を排除する完全菜食主義のことを示します。健康上の理由で実践する「ダイエタリー・ヴィーガン」、動物愛護の観点から食だけに限定せず毛皮やウールなど動物由来のもの全てを避けアニマルライツを訴える「エシカル・ヴィーガン」に分類されます。マカダミアは良質な脂やタンパク質を含むため、ベジタリアンやビーガンの食事には重要な栄養素とされています。
#5 フレキシタリアン
フレキシブル・ベジタリアンという言葉を組み合わせたもので肉・魚の消費を減らし植物性の食品を積極的に食べようという環境への影響を考えた食生活。厳密な規定がなく、ライフスタイルに合わせて取り入れることができ、「ゆるベジタリアン」などと紹介されることもあります。
フレキシタリアンの似た背景を持つキャンペーンの一つにお肉を週一回控えましょうと提唱する「ミートフリーマンデー」が挙げられます。世界40カ国以上で実施されているそうで実際に2019 年からはNYの公立学校の月曜日の給食はベジタリアンのメニューの日と公式に発表されるなど様々な広がりを見せています。
#6 VB6(Vegan Before 6pm)
フードライターのマーク・ビットマン氏によって考案された食事法。フードライターであるが故にベジタリアンになる気はさらさらなかったが、自身の健康の為に思いついたのが午後6時までパートタイムベジタリアンになり、それ以降は好きなものを食べても構わないという「時間」で区切る方法。ちなみにこの午後6時には得に根拠はないそうだが「夕食が食事の中で一番楽しみたい時間だから」とのこと。健康も食事の楽しみも両方手にしたい、とフレキシタリアンな考え方で厳しすぎる制限がない為すぐに取り入れやすくまた長続きするというメリットがあります。ちなみに彼はこの食事法で自然と減量に成功したとか。
#7 低FODMAP(低フォドマップ食)
モナッシュ大学の研究者が過敏性腸症候群の人たちのために特別に考案したダイエット法で、高FODMAP(フォドマップ)を控えた食事、という意味。FODMAPとは、Fermentable (発酵性の糖質)・Oligosaccharides(オリゴ糖)・Disaccharides(二糖類)・Monosaccharides(単糖類)・Polyols(ポリオール)の頭文字をとったもの。
避けるべき高FODMAP食材の例としては
糖質:パン、麺類、ピザ
オリゴ糖:納豆、きな粉、ごぼう、玉ねぎ、えんどう豆、にんにく、豆腐、小麦など
二糖類:牛乳、ヨーグルト、アイスクリームなど
単糖類:はちみつ、果物など
ポリオール:シュガーレス菓子、プルーン、イチジク、マッシュルームなど
が挙げられます。ナッツ類の中でもマカダミアは低FODMAP食材に分類されており、この食事法にもフィットする食品といえるでしょう。
#8ニューノルディック・ダイエット(北欧ダイエット)
北欧諸国で食べられている食品をベースにしたダイエット法で心血管性疾患リスクの低下や糖尿病の改善、コレステロールの低下などに効果があるとのこと。北欧各地で摂れる根菜、キャベツ、ベリー、豆類、ナッツ、魚を中心とした地元で採れた旬の食材を重視しています。脂肪分の多い魚を食べることはこの植物性食品主体の食事の重要な栄養素でもあるそう。地中海食と北欧色は似ているが、前者がオリーブオイルを使用し適量の赤ワインを飲むことを推奨する代わりに後者はキャノーラ油(菜種油の一種)の使用を勧めておりアルコールは控えめに、と指示している点があげられます。マカダミアをはじめ、食物繊維を含む食材を多く取り入れる為、女性のウエストラインにも嬉しい効果があるとか…
#9クリーンイーティング
加工された食品や精製された食品、防腐剤や人工調味料などの添加物を避け、できる限り自然に近い品質の良い食品を選ぶスタイル。カロリー制限やファスティングなどの一過性のものとは違い、食べ物の質に注目し永続的に持続するライフスタイルの一種といえるでしょう。例えばお肉やお魚なども摂取しますが平飼い卵やオーガニック製品を選ぶこと、砂糖のかわりにフルーツを食べる、油はサーモンやナッツ類、アボガドから摂取する、など身体に良いチョイスを重ねていくこと自体をクリーンイーティングと呼びます。
#10 パレオ
農耕以前の狩猟採集生活をしていた旧石器時代の食生活を再現したもの。肉・魚・卵・野菜は摂取するが農耕や牧畜が始まり広まった米・小麦・豆・穀物をはじめ、加工食品、砂糖や人工甘味料、ほとんどの乳製品、植物油を避ける食事法です。糖質はイモ類を摂取して補います。マカダミアは、オーストラリアの先住民の栄養食として長い歴史を持っているためこの食事法には大切な栄養源とされています。
まとめ
皆さんはいくつご存知でしたか?
世界にはたくさんの食事法や考え方があります。人それぞれ国籍や体格、体の反応は様々ですので一概に何が良い!と断言することは難しいかもしれません。また自身の健康だけでなく、未来の地球環境に目を向けたことでプラントベースへの意識が高まり、結果として食事の内容が変化した人々も増えてきているようです。自分の中で食の価値を再認識し無数の選択肢の中から一つ一つ丁寧に取捨選択すること、これが心と身体の健康への第一歩とも言えるかもしれません。
【参照】
・VB6
https://www.huffpost.com/entry/mark-bittman-vegan-before-6-vb6_n_3224415
・地中海元記事
https://www.australian-macadamias.org/consumer/our-nut-hub/blog/the-mediterranean-diet-difference
・ダイエットトレンド元記事
https://www.australian-macadamias.org/consumer/our-nut-hub/blog/which-diet-means-what-a-cheats-guide-to-understanding-the-current-global-diet-trends
・日本ベジタリアン協会
http://www.jpvs.org
・ミートフリーマンデー
https://www.hopeforanimals.org/meat-free-monday/nyc-meat-free-monday/
・FAO農業、温室効果ガス排出について
http://www.fao.org/japan/news/detail/en/c/292138/
【参考図書】
・「地球から愛される食べ方」ふかもりふみこ(現代書林)
・「ベジタリアンの健康学」蒲原聖可
・「ホールフードでいこう」タカコ・ナカムラ