話題の中東料理をお家で!
マカダミアナッツでアレンジも
最近トレンドとしてその名が挙がる中東料理。
使われている食材や食文化から、中東の各地で食べられている伝統的な料理のルーツや特徴を紹介します。
マカダミアナッツを加えたアレンジレシピもあるのでぜひ作ってみてくださいね。
中東料理って?
中東料理は、その繊細なスパイス使いや栄養価の高さ、エキゾチックな風味で、今世界的に注目されています。特に、栄養豊富な豆類や野菜をたっぷり使ったヘルシーなメニューは、健康意識の高い、海外のセレブやモデルからも支持されています。
中東(中近東)はペルシャ湾と紅海に隣接する広大な区域を指します。主だった国は、トルコ、レバノン、イスラエル、イラク、シリア、パレスチナ、ヨルダンなど。中東料理が語られる際には、アラブ首長国連邦やイエメン、イラン、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、バーレン、そしてエジプトやモロッコも加わります。
料理として有名なのは、世界三大料理の一つ、トルコ料理(他の二つはフランス料理・中国料理)。その他、モロッコ料理、レバノン料理、エジプト料理、イスラエル料理、ペルシャ料理やアラブ料理などは、世界中にレストランがあり、比較的よく知られています。
主に、アラビア半島を中心に広がるアラビア語を母国とする文化圏が中心ですが、周辺国にも、食材やレシピに共有点が多々あります。地中海を中心として、アフリカやヨーロッパ、アジアの影響も受けて発展しています。特にギリシャ料理には似たメニューが多いです。
中東料理によく使われる食材は?
メソポタミア時代まで遡ると、小麦やレンズ豆、ヒヨコ豆、オリーブなどの原産が中東地域。これらの食材は今でもよく使われるほか、キュウリやナス、トマトなどのさまざまな野菜がふんだんに使われます。
もちろん肉・魚介類も使われます。オスマン帝国だったトルコでは山羊や羊をベースにした宮廷料理が有名です。ただし、イスラム教のように、宗教によって豚肉など肉類の摂取制限や規律(ハラル)がある地域もあります。
味付けに使われるのは、レモン、ニンニク、パセリ、オリーブ(オリーブオイル)がメイン。ここにトルコなら、さらにトマトペースト(サルチャ)やヨーグルトが加わるなど、各国、地域によって特徴が異なります。
ナッツは、ピスタチオやヘーゼルナッツ、クルミがよく使用されます。フルーツはザクロやイチジク、アンズ、デーツ(ナツメヤシ)などが特徴的でしょうか。
スマック、タイム、クミン、パプリカ、シナモン、サフランなどのスパイスもよく使われます。いずれも日本のスーパーでも手に入ります。
「タヒーニ」呼ばれる練りゴマのようなペーストもよく登場します。ローズウォーターやザクロ酢も定番です。
ちなみにクックパッドが発表した2019年の食トレンドの2つ目のキーワードに登場したのは「ヒヨコ豆」。健康志向の高まりとともに、中東料理のブームもあり、外国生まれの豆料理を家庭で楽しむ人が増えそうだからとされています。欧米でも人気のフムスやファラフェルの知名度が浸透してきたこともあるかもしれませんね。タンパク質や食物繊維を多く含み、鉄分やカルシウム、銅、マンガンなど、ミネラルも豊富。安価で腹持ちも良い注目食材です。
その他の食材もハラルフード店(東京は新大久保に多くのお店が連なるストリートがあります)やwebショップで購入することができますよ。
中東の独特の食習慣・食文化を紹介
イスラム教徒が多い国や地域は、断食の時期(ラマダン)があるのが特徴的です。カトリックや正教会でも、肉や魚を口にしない時期があります。そのため、全体的に野菜料理が発達しています。
また、イスラム教は基本的にアルコールを禁じていますが、例えばトルコは比較的ゆるく、ラクなど独特のお酒がある他、ワインやビールも生産しています。コーヒーやサモワールで沸かす紅茶(チャイ)を飲む習慣も知られています。
手食文化が定着しています。特に、イスラム教では、食べ物は神から与えられた神聖なもの。食器を使わず、右手(親指、人差し指、中指の3本のみ)で食べる習慣が根強く残る地域もあります。現在は、ナイフやフォーク、スプーンを使用する国や地域もたくさんあります。
絨毯の上、あるいは一枚の板の上に、銅製の大きなお盆を置き、それを囲んで座って食べるスタイルが一般的です。取り皿を使わないことも多く、その場合は大皿から直接一口分ずつ取って食べます。
コース料理には「メゼ」と呼ばれる野菜中心の前菜料理がさまざまにあり、特徴的です。
マカダミアナッツを使ったアレンジレシピを紹介!
中東の各地域で食べられている代表的な料理をピックアップしました。マカダミアナッツを使ってアレンジしたオリジナルレシピをそれぞれ紹介します。
【ピラウ】
「ピラフ」の語源になった「ピラウ」は炊き込みご飯のような米料理。お米を炒めて、さまざまな具や出汁、香辛料などと一緒に炊いた料理です。トルコ料理が特に有名で、200種類以上のバリエーションがあるそうです。トルコでは、吸水性が高く、丸っこいジャポニカ米か細長く水分量の少ないインディカ米、あるいはひきわり小麦の「ブルグル」で作られます。どちらかというと添え物のように小さく盛られるか、副食として食べられるようです。また、インドやアフリカ、ギリシャなど広い地域で食べられています。
マカダミアとスパイシーオリーブのピラウ
マカダミアナッツとオリーブ一緒に炊き込んだピラウ。スパイスのアクセントもポイントです。
【フムス】(ホンモス・ホモス・ハモス)
茹でたヒヨコ豆とタヒーニ(白ゴマペースト)、ニンニク、レモン汁、オリーブオイルや塩を混ぜてすりつぶしたペースト状の料理。東地中海のレバント地方(レバノン、イスラエル、シリアなど)が発祥地といわれており、現在はさらにさまざまな国々で食べられています。ニューヨークでは専門店が増加中なほど、ブーム。ベジタリアンの主食としても愛されています。現地では、ピタパンにディップのように付けて食べる「メゼ」(前菜)から、暖かくして朝食に。アラブではオリーブオイルを混ぜず、お皿に円形の凹みをつくって盛り付け、そこにエクストラバージンオリーブ油を注いでから鮮やかに飾り付けます。
マカダミア・フムス
ヒヨコ豆と一緒にマカダミアナッツをたっぷり入れて作ったフムス。
【ファラフェル】
中東を代表するファストフードとしてさまざまな国で愛されているコロッケ。ヒヨコ豆やソラ豆にスパイスを混ぜてすりつぶし、団子状に丸めて揚げたものです。エジプトでは国民食として知られる他、シリア、レバノン、イラク、パレスチナ、イエメン、イスラエルなどでも非常によく食べられています。ピタパンに生野菜と一緒に挟んで入れてサンドイッチのようにして食べるのも定番の食べ方です。最近は、欧米でベジタリアンフードとしても人気のメニューです。
【ババガヌーシュ】(ババ・ガンヌージュ)
焼いて皮をむいたナスをすり潰し、オリーブオイルやタヒーニ、香辛料などを混ぜたペースト状の料理で、代表的な前菜のひとつ。さまざまな国で愛されています。
マカダミアとフレッシュハーブのファラフェル、ヨーグルトソースとババガヌーシュ
マカダミアナッツをたっぷり混ぜたファラフェル。ババガヌーシュと一緒に。
【タジン】
モロッコやアルジェリアで使われているとんがり帽子のような形の土鍋の名称で、それを使って作った料理のことも指します。日本でも一時期大ブームに。円錐の蓋の中で蒸気が対流するので、食材の水分だけで調理でき、食材の風味を存分に引き出してくれます。かつて水が大変貴重だった砂漠気候ならではの調理器具・調理法ですね。現在は圧縮鍋で代用することも多いようです。羊肉や鶏肉と野菜、ヒヨコ豆などの豆類、ドライプルーンやブドウ、オリーブなど、またサフランやクミン、シナモンなどの香辛料を組み合わせて蒸します。また、モロッコでは粒状のパスタのような「クスクス」が主食です。合わせて食卓に並ぶことも多いようです。
ラム肉のタジンとマカダミアのグレモラータ
タジン鍋が無くても蓋つき鍋でも大丈夫!マカダミアのグレモラータがアクセントに。
【フリーカ】(フリーケ)
東地中海沿岸を中心に、中東のアラブ諸国に古くから伝わる自然食材。小麦などの穀物がまだ青く、水分量が多い頃に収穫、焙煎してひきわりにしたもので、古代から食されてきました。 栄養豊富なので離乳食や病人食としても愛されているそう。低GIで食物繊維、たんぱく質、鉄分などの栄養価が高いスーパーフードとして最近注目されています。腹持ちもいいのでダイエット食としてもぴったり。鍋で炊いたり、ご飯に混ぜたり、オムレツやサラダに混ぜるなどして取り入れている方も多いようです。
マカダミアとフリーカのサラダ
ざくろやレンズ豆、ヨーグルトなど中東で定番の食材にマカダミアナッツも混ぜて豪華サラダにアレンジ。
【まとめ】
最後に「バクラヴァ」など中東料理の定番デザートまで作れば、中東料理のフルコースを用意することも可能ですね。どれもマカダミアナッツとの相性抜群!ぜひ色々チャレンジしてみてください。
参考文献 :
- 『トルコ料理大全』メフメット・ディキメン/誠文堂新光社
- 『MEYHANE TABLE 家メイハネで中東料理パーティー』サラーム海上/LD&K BOOKS
- 『おいしい中東 オリエント・グルメ旅』サラーム海上/双葉文庫
- 『しらべよう!世界の料理4 西アジア アフリカ』青木ゆり子(監修・著)/ポプラ社